2018年8月26日(日)、当店能舞台「有馬能楽堂」は、江戸時代には京都で御所御用をつとめていた大蔵流の名門・茂山千五郎家の方々にご出演いただきます。
茂山家で大切にされている言葉に「お豆腐狂言」があります。
狂言を含めた能楽は、江戸時代に武家の式楽(儀式の芸能)となり、格式の高いものとなりました。
それ自体は悪いことではないのですが、明治維新によって武家が消滅すると、武家と一体であったがために、能・狂言は大変厳しい時代を迎えます。
そんな中、茂山家の十代目・正重は、地域の子どもたちの行事や結婚式、お祝いの席などに気軽に出向いて狂言を演じることで生き抜いてきました。
そのことを、格式を大切にする人たちからは「軽々しすぎる。どこの家の食卓にでも上がる豆腐のような安いやつらだ」と悪口を言われました。
しかし正重は、その悪口を逆手にとって「豆腐のようにどんなところでも喜んでもらえる狂言」を目指し、「お豆腐狂言」を名乗ったのでした。
その心は今の茂山家でも連綿と伝えられています。
伝統を大切にしつつも、決して固くなく、親しみやすい茂山狂言。
三田屋本店自慢の野外能舞台「有馬能楽堂」で、ステーキと一緒にご堪能ください。
(狂言写真撮影・川西善樹、上杉遥)